昔のCDの方が高音質? ~炎のさだめ(TETSU)~ [新旧CD聴き比べ]
時代とともに変わるCDのマスタリングを試聴して検証するこのシリーズ。今回は「装甲騎兵ボトムズ」の主題歌で、織田哲郎が歌う「炎のさだめ」をとりあげます。
炎のさだめ
作詞:高橋良輔、作曲・編曲:乾裕樹、歌:TETSU (織田哲郎)
「装甲騎兵ボトムズ」は日本サンライズ制作のSFロボットアニメで、テレビシリーズ全52話が1983年4月から約1年間にわたり放映されました。主題歌「炎のさだめ」は織田哲郎がTETSU名義で覆面歌唱しており、高橋良輔監督の手による「むせる」歌詞で有名です。
主題歌シングルレコードは1983年4月21日にキングレコードから発売されています。通常、17cmシングルはレコードを格納する紙のエンベロープとは別にジャケット&歌詞カードが付く2ピース構成が一般的なのですが、本作はエンベロープの表裏にジャケットと歌詞が直接印刷されており、別紙の歌詞カードは封入されていません。
収録されている波形を以下に示します。44.1kHz/16bitでサンプリングし、ピーク値がフルスケールとなるように音量を規格化しています。平均音量は -18.3dBFS です。試聴用にはBメロの0分27秒あたりからサビへの入りを切り出しました。なお、本ページに掲載の音声ファイルの拡張子は.mp3になっていますが、中身は非圧縮の.wav (44.1kHz/16bit) です。
K06S-3048 (1983/4/21)
炎のさだめ (17cmシングル盤)
最大音量 -0.00 dBFS (Peak)
平均音量 -18.3 dBFS (RMS)
17cmシングル
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
次にCD音源ですが、新旧3種類を用意しました。1枚目は1986年発売の「装甲騎兵ボトムズBGM集Vol.1」に収録の「炎のさだめ」です。このCDは1983年7月21日に発売されたLPレコード K22G-7136 をCD化したもので、1993年に再販されています。
この頃はまだ業界の音圧戦争が始まる前ですので、アナログレコードと同様の自然な波形で収録されています。平均音量は -16.2dBFS です。掲載した試聴用サンプルは、アナログレコードとボーカルの音圧が同じになるように -2dB の音量補正を行っています。
K30X-7015 (1986/6/5) / 再販 KICA-2136 (1993/2/5)
炎のさだめ (CD 1986年盤)
最大音量 -0.00 dBFS (Peak)
平均音量 -16.2 dBFS (RMS)
CD 1986年盤 (音量補正 -2.0dB)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
2枚目のCD音源は、2005年発売の「装甲騎兵ボトムズ 総音楽集」に収録の「炎のさだめ」です。この総音楽集はCD3枚組で、TVシリーズのBGM集Vol.1~3の3枚を網羅し、さらに未収録曲が追加されたコレクターズアイテムです。
このころになると音圧maxのマスタリングが当たり前になっており、御多分に洩れず本作もやや海苔波形化してしまっています。ピークこそ -0.01 dBFS と寸止めしていますが、平均音量は -13.1 dBFS と、1986年のCDより +3dB の音圧アップです。そのまま聞き比べるには音圧が違いすぎますので、試聴用サンプルは -5dB の音量補正を行っています。
KICA-681~3 (2005/2/23)
炎のさだめ (CD 2005年盤)
最大音量 -0.01 dBFS (Peak)
平均音量 -13.1 dBFS (RMS)
CD 2005年盤 (音量補正 -5.0dB)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
3枚目のCD音源は、2009年発売のコンピレーションアルバム「サンライズ ロボットアニメ大鑑」に収録の「炎のさだめ」です。平均音量は -13.1 dBFS と2005年盤の総音楽集とほぼ同じで、同一マスタリングの音源と推定されます。試聴用サンプルはこれも同じく -5dB の音量補正を行っています。
KICA-3101 (2009/11/26)
炎のさだめ (CD 2009年盤)
最大音量 -0.01 dBFS (Peak)
平均音量 -13.1 dBFS (RMS)
CD 2009年盤 (音量補正 -5.0dB)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
聞き比べてみた印象はいかがでしょうか? 2005年盤も2009年盤も、最近のベッタリとした海苔波形を見慣れた目には、まだまだ良心的な部類に映ります。ボーカルの歪み感もそれほど気になりません。ただ、やはり声量の大きなパートでのアタック感の差はやや耳につきます。海苔波形特有の定位のブレも気になります。サビの「地獄を見~れば~」の「れ~ば~」の後ろで鳴ってるストリングスに着目すると違いが分かりやすいでしょうか。
後から出る全部入りのコレクターズアイテムの方が音質も良ければ最高なんですが、より良い音質のソースを求めて古いプレスのCDを探す受難の旅路はまだまだ続きそうですね。
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炎のさだめ
作詞:高橋良輔、作曲・編曲:乾裕樹、歌:TETSU (織田哲郎)
「装甲騎兵ボトムズ」は日本サンライズ制作のSFロボットアニメで、テレビシリーズ全52話が1983年4月から約1年間にわたり放映されました。主題歌「炎のさだめ」は織田哲郎がTETSU名義で覆面歌唱しており、高橋良輔監督の手による「むせる」歌詞で有名です。
主題歌シングルレコードは1983年4月21日にキングレコードから発売されています。通常、17cmシングルはレコードを格納する紙のエンベロープとは別にジャケット&歌詞カードが付く2ピース構成が一般的なのですが、本作はエンベロープの表裏にジャケットと歌詞が直接印刷されており、別紙の歌詞カードは封入されていません。
収録されている波形を以下に示します。44.1kHz/16bitでサンプリングし、ピーク値がフルスケールとなるように音量を規格化しています。平均音量は -18.3dBFS です。試聴用にはBメロの0分27秒あたりからサビへの入りを切り出しました。なお、本ページに掲載の音声ファイルの拡張子は.mp3になっていますが、中身は非圧縮の.wav (44.1kHz/16bit) です。
K06S-3048 (1983/4/21)
炎のさだめ (17cmシングル盤)
最大音量 -0.00 dBFS (Peak)
平均音量 -18.3 dBFS (RMS)
17cmシングル
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次にCD音源ですが、新旧3種類を用意しました。1枚目は1986年発売の「装甲騎兵ボトムズBGM集Vol.1」に収録の「炎のさだめ」です。このCDは1983年7月21日に発売されたLPレコード K22G-7136 をCD化したもので、1993年に再販されています。
この頃はまだ業界の音圧戦争が始まる前ですので、アナログレコードと同様の自然な波形で収録されています。平均音量は -16.2dBFS です。掲載した試聴用サンプルは、アナログレコードとボーカルの音圧が同じになるように -2dB の音量補正を行っています。
K30X-7015 (1986/6/5) / 再販 KICA-2136 (1993/2/5)
炎のさだめ (CD 1986年盤)
最大音量 -0.00 dBFS (Peak)
平均音量 -16.2 dBFS (RMS)
CD 1986年盤 (音量補正 -2.0dB)
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2枚目のCD音源は、2005年発売の「装甲騎兵ボトムズ 総音楽集」に収録の「炎のさだめ」です。この総音楽集はCD3枚組で、TVシリーズのBGM集Vol.1~3の3枚を網羅し、さらに未収録曲が追加されたコレクターズアイテムです。
このころになると音圧maxのマスタリングが当たり前になっており、御多分に洩れず本作もやや海苔波形化してしまっています。ピークこそ -0.01 dBFS と寸止めしていますが、平均音量は -13.1 dBFS と、1986年のCDより +3dB の音圧アップです。そのまま聞き比べるには音圧が違いすぎますので、試聴用サンプルは -5dB の音量補正を行っています。
KICA-681~3 (2005/2/23)
炎のさだめ (CD 2005年盤)
最大音量 -0.01 dBFS (Peak)
平均音量 -13.1 dBFS (RMS)
CD 2005年盤 (音量補正 -5.0dB)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
3枚目のCD音源は、2009年発売のコンピレーションアルバム「サンライズ ロボットアニメ大鑑」に収録の「炎のさだめ」です。平均音量は -13.1 dBFS と2005年盤の総音楽集とほぼ同じで、同一マスタリングの音源と推定されます。試聴用サンプルはこれも同じく -5dB の音量補正を行っています。
KICA-3101 (2009/11/26)
炎のさだめ (CD 2009年盤)
最大音量 -0.01 dBFS (Peak)
平均音量 -13.1 dBFS (RMS)
CD 2009年盤 (音量補正 -5.0dB)
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聞き比べてみた印象はいかがでしょうか? 2005年盤も2009年盤も、最近のベッタリとした海苔波形を見慣れた目には、まだまだ良心的な部類に映ります。ボーカルの歪み感もそれほど気になりません。ただ、やはり声量の大きなパートでのアタック感の差はやや耳につきます。海苔波形特有の定位のブレも気になります。サビの「地獄を見~れば~」の「れ~ば~」の後ろで鳴ってるストリングスに着目すると違いが分かりやすいでしょうか。
後から出る全部入りのコレクターズアイテムの方が音質も良ければ最高なんですが、より良い音質のソースを求めて古いプレスのCDを探す受難の旅路はまだまだ続きそうですね。
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