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CDよりTVの方が音がいい? ~海苔波形との闘い2「三つ葉の結びめ」編~ [検証可能な音質比較]

 TV放映版の別マスタリング音源を手がかりにしてCDの海苔波形と闘うこのシリーズ。第二弾は「凪のあすから」2クール目の ED で、やなぎなぎの歌う「三つ葉の結びめ」をとりあげます。

三つ葉の結びめ(通常盤)TVアニメ(凪のあすから)新エンディングテーマ

三つ葉の結びめ(通常盤)TVアニメ(凪のあすから)新エンディングテーマ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2014/02/19
  • メディア: CD

 「凪のあすから」は P.A.WORKS オリジナルの海のファンタジーで、美術がとても綺麗な作品です。シリーズ構成は岡田麿里ですが、彼女の最高作といっても過言ではないと筆者などは思います。さて、物語後半の2クール目の ED がこの「三つ葉の結びめ」です。まずは CDの波形を見てみましょう。今回の音源はマキシシングルの通常盤 (GNCA-0326) です。

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 入りはスローのバラードなのですが、サビに向けて声量も上がっていきます。残念ながら声量が大きいパートはピークを潰してしまっており、海苔波形化しています。特に時間にして4分ちょうどのあたり、「なんども~」の「も~」は完全にボーカルが音割れしてビリついています。波形を拡大すると基本波の上下が同時にクリップしており、さすがにここまでくると誰でもわかるレベルの音質劣化ですね。

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「三つ葉の結びめ」CD 4:00付近

 ということで、海苔波形になる前の音源を求めて、TV放映時のエアチェックを確認します。東京MXでの本放送23話の録画から、サビの部分を切り出しました。本当は CD で音割れしている4分付近を比較できればよかったのですが、1コーラスのTVサイズに当該部分は入っていないのでいたし方ありません。波形を見ると、期待通りピークを潰す前の音源を使ってくれているようです。本放送当時、ちょうど東京MXが2波化して帯域が削られているのですが、スペクトルを見ると音声トラックは20kHzまで伝送されています。

ED2.jpg
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mitsuha_spectrum_MX.png
「三つ葉の結びめ」TV放映版 (東京MX)

 ここで比較試聴のため、CDから同じ部分を切り出しました。そのまま聞き比べるには音圧が違いすぎますので、例によってCDの方はレベルを調整してあります。今回の場合もCDの音量を5dB下げると聴感上のボーカルの音圧がほぼ同じになりました。

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「三つ葉の結びめ」CD (音量 -5dB)

 百聞は一見 (聴) にしかず。聞き比べてみましょう。いかがでしょうか?
 前回の「ウラオモテ・フォーチュン」編ほどには明確な違いが感じられないのではないでしょうか。やなぎなぎのボーカルも、この部分ではそんなに歪っぽくは聞こえません。「むすんで~」の所はかなりピークを潰しているはずなのですが、聴感上はほとんど歪は聴き取れません。多少クリップしていても気付かないものだなとちょっとがっかりしますが、そういった意味では、巧みなマスタリングだとも言えます。
 ただし、ある程度注意深く聴くと、やはり情報量の違いは見えてきます。ボーカルのクリアさで言うと、MXに対してCDは布一枚向こう側から聞こえる感じです。わかりやすい例としては、「むすんで~」の後ろで鳴っているピアノに注目してみて下さい。CDは音像がぼやけていろんな方向から聞こえてくるので、いったい何処でピアノが鳴っているのか気持ち悪いのですが、MXではちゃんと前方に定位してくれます。潰して無くなった部分の情報量の違いが、これらの微妙な聴こえ方の違いになって表れると考えると納得できる気がします。皆さんの印象はいかがでしょうか。

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